インプラント

    歯を失ってお悩みのあなたへ ~インプラント(人工歯根)による治療~(※)

    インプラント

    他の治療との比較
    インプラント治療の流れ
    インプラントQ&A
    インプラント症例写真

    他の治療との比較(※)

    インプラントとは

    インプラント

    失われた歯根の部分にチタン製の歯根を埋め込んで土台をたて、その上に人工の歯をかぶせるのが、今日行われているインプラント(人工歯根)療法です。

    この治療法では、残っている健康な歯への負担が増加することはありません。

    あごの骨には自然の歯と同じように刺激が伝わり、力をかけることができることから、骨の変形も少なくなることが知られています。

     

    ブリッジとの比較

    歯を1本失った場合、両隣の健康な歯を削って人工の歯をかぶせます。これがブリッジと呼ばれる治療法です。奥に歯がない場合、金属製のバネで入れ歯を支えます。

    歯は、目で見える部分の歯と、それを支える歯根から成り立っています。歯を失うということは、それを支えている歯根も失ってしまうということです。

    噛むという行為は、想像以上に強い力を、歯とあごにかけています。(奥歯1本にかかる荷重は、その人の体重にほぼ等しいと言われます)。

    ブリッジでは、1本あたりにかかる荷重は約1.5倍になります。削られた歯は傷みやすく、この歯がだめになってしまうと、さらに広い範囲のブリッジに作り直さなければなりません。

    従来の治療法(ブリッジ)
    ブリッジとの比較
    この形のブリッジでは、周りの歯を大きく削らなければなりません。
    インプラントによる治療法
    ブリッジとの比較
    インプラントでは、両隣の歯はそのままで、負担もかかりません。

    入れ歯との比較

    入れ歯治療の場合、歯根がない部分の骨は、噛むことによって得られる刺激がないために次第に痩せていきます。

    また、残っている歯根が移動してしまうため、ぴったり合わせて作った義歯は次第に合わなくなり、何度も作り直す必要が出てきます。

    従来の治療法(部分入れ歯)
    入れ歯との比較
    奥歯を固定する為に、金属の支えを使用する例。違和感があり、清掃も難しく、見映えも良くありません。
    インプラントによる治療法
    入れ歯との比較
    インプラントでは、失われた歯根部分の骨を支えにして人工の歯を固定します。噛む力は天然の歯を同じように骨に伝わります。
    従来の治療法(総入れ歯)
    入れ歯との比較
    総入れ歯の場合、入れ歯を固定する力が弱く、ぐらついたり、ずれたりします。そのため食べ物を噛むために充分な力をかけることが出来ません。
    インプラントによる治療法
    入れ歯との比較
    インプラントでは、義歯はあごの骨に固定され、力を入れて噛むことができます。食感も天然歯に近く、食べる楽しみを取り戻すことが出来ます。

    インプラントの利点(※)

    • 歯を失ったことによる食べ物の制限、不快感がど、さまざまな不満や問題を解決します。
    • しっかり固定されるので、入れ歯による「すべり」や「ずれ」がありません。
    • 噛む機能が回復しバランスの取れた献立を楽しむことができますので、レストランや旅行先など人前でも気にすることなくお食事が楽しめます。
    • 天然歯との区別が難しいほど自然な仕上がりです。
    • お手入れが簡単です。

     

    インプラントの条件と欠点

    全身的条件:

    1〜2本の埋め込み時(一次手術時)、30分から1時間程度の外科処置が必要です。
    それが安全に行い得る全身的な健康状態が必要となります。
    特に、心臓、脳血管、糖尿病、高血圧、肝臓、腎臓疾患をお持ちの方、骨吸収抑制薬の投与を受けられている方はよく御相談下さい。
    ニ次手術は一般に短時間で終わりますし、現在、それが不要な方法が適用できる場合が普通(現在約95%程度)のため御安心下さい。
    特に高血圧症、不安感の強い方には静脈内鎮静法を併用いたしますので、ご相談ください。

    局所的条件:

    局所的にインプラントが納まり固定し得るだけの骨の量と質が必要です。
    それを調べるため、当院所有の歯科用CTにて画像情報を採取後、2種類のシミュレーションソフトにより正確なシミュレーションを全例に行います。

    時間的条件 :

    現在、最終的な歯を装着するまでの時間を短縮する試みが世界中で行われておりますが、最終的な被せ(補綴物)は下顎で約3ヶ月、上顎で約3〜6ヶ月の初期固定期間後に装着作業に入ります。
    但し条件に適合すれば、暫間的な仮の歯をインプラント埋め込みと同時に装着することも可能です。
    更に抜歯と同日に埋め込み、仮歯装着まで行う抜歯即時埋入即時修復を選択することもあり、特に前歯部の審美的修復で効果が高い手法となっており、推奨されていますが、経験と技術力を要します。

    費用的条件:

    現在、歯の欠損に対しては保険が適用できないため、治療費用は自費となりますが、医療費控除の対象になります。

    成功率と偶発症:

    局所的、全身的条件からインプラントの成功率は100%ではありませんが、当院での累積生着率(26年前から現在までの全埋め込みインプラント中、現在まで生着機能しているインプラント数)は現在98.0%を記録していますので御安心下さい。(初めの被せ(上部構造)まで一回で行く成功率としてのインプラント数では99.6%)
    10年以内のインプラントの脱落の際は、当院の保証制度に基づき再埋入、等の処置を講じます。
    今まで幸いにも一時的な神経麻痺を含めて偶発症の発生はありませんが、医療行為である以上、可能性はゼロではありません。

    メインテナンスの条件 :

    インプラントは違和感なくよく噛め虫歯にかかることはないため、ついその存在を忘れてしまいますが、感染に対する防御網は天然歯より劣るため毎日のお手入れを怠ると歯周病に似た状態から周囲の骨が吸収して脱落に至る場合があります。
    御自身による継続的なブラッシング等のお手入れと、定期的な来院による点検、清掃、等のメインテナンスが極めて大切です。
    天然の歯と異なり、インプラントは骨と結合しており、その動きが殆どなく周囲にそれを伝える神経が少ないため、噛んだ感触はわずかしかありません。
    上にあげた条件が満たされた場合、従来のブリッジや義歯よりインプラントの方が望ましい、という考えが、現在、世界の常識となっています。

     

    インプラント治療の流れ

    1人ひとりに最適な治療を ~成功へのステップは一歩ずつ~

    Step1 診査と治療計画

    インプラント治療の流れ

    失われた歯の数、インプラントを埋め込む骨の硬さ、大きさ、位置により、治療法は様々な選択肢があります。

    歯にかかる力の方向や強さはもちろん、患者さんに無理のない衛生管理などを含め総合的に検討した上で、治療計画が立てられます。

    Step2 一次手術

    インプラント治療の流れ

    顎の骨の中にインプラントを埋め込みます。当院では現在全症例に対しコンピューターシミュレーション結果に基づいた、通常症例では(無料)自家製ガイドを、難症例では有料(実費負担)メーカー製造ガイドを用いて正確な手術を行っています。

    Step3 治癒期間

    インプラント治療の流れ

    一次手術後、3~6ヶ月の治癒期間をおくことで、インプラントと骨が強い力で結合します(オッセオインテグレーション)。

    この期間、仮の歯を使用できる場合もあります。

    Step4 二次手術

    インプラント治療の流れ

    歯ぐきを開いて人工の歯を取り付ける準備をします。

    この状態で、歯ぐきが治るまで1~2週間おきます。

    Step5 人工歯を作製・装着

    インプラント治療の流れ

    歯ぐきが治った時点で型をとり、人工の歯を作ります。

    形や色などは患者さんに合わせて作製し、インプラントに取り付けます。

    メンテナンスと定期検診

    インプラント治療の流れ

    インプラントで治療した部分に限らず、口の中を衛生的に保つ必要があります。

    ブラッシングの方法などについて適切な指導を受け、また半年に1回程度の定期健診を受けて、インプラントや人工の歯の状態、噛み合わせを確認します。

     

    インプラントQ&A(※)

    治療に関する疑問、不安がある方へ・・・
    Qインプラントを適用できない場合はありますか?
    A1本だけ歯を失った場合、複数の歯を失った場合、まったく歯が残っていない場合、いずれにおいてもインプラントによる治療は可能です。
    ただし下表に挙げたような条件下では注意が必要です。

    インプラント治療が制限されるケース
    • 妊娠中の方
    • 全身疾患のある方
    • 他の歯根の感染症がある方、歯周病の方
    • 顎の骨の量の少ない方、骨粗しょう症の方
    • 糖尿病や高血圧などの慢性疾患がある方は良好な状態にコントロールされていることが条件になります。

    インプラント治療が適用できないケース
    • あごの骨の成長が終わっていない、概ね16歳以下の方
    • 歯磨きなどの日常の手入れが充分にできない方
    • アルコール依存症の方
    • 医師との協調が得られない、精神的に問題のある方
    • チタンへのアレルギーを持っている方
    Qインプラント治療の成功率は?
    A30年以上の臨床経験と100万人以上の人が治療を受けた結果、クラウンやブリッジを支持するノーベルバイオケア社のインプラントは高い成功率を誇っております。
    1歯の修復においては95%近く、複数歯においてはそれ以上の成功率が論文で発表されています。
    ※当院での累積成功率は現在約98.0%です。
    Q治療費はいくらぐらいですか?
    Aインプラントを埋め込む本数や、治療方針、義歯部分の作製にかかる費用など、症例によって異なりますので、歯科医師に事前に相談し、費用についても充分納得されてから治療を始めることが大切です。
    日本ではインプラン治療は医療保険が適用されませんので、従来の治療法に比べて高額と思われることが多いようです。
    しかし、総入れ歯を何度も作り直した例や、インプラントによる治療結果、効果を総合的に考慮すると、一概に高額とは言えないでしょう。
    ※当院の治療費はインプラント一本あたり一次手術から最終的なジルコニアやセラミッククラウンを含めて約35~45万円(税抜き)になります。使用本数やクラウン等の種類により費用は上下しますので、具体的には主治医に御相談ください。
    Qインプラントは何年ぐらいもちますか?
    A1965年に初めて埋め込まれたインプラントが、現在も義歯を支える働きを果たしていることから、衛生状態が良く保たれているインプラントは、長い期間にわたって良好に機能することが期待できます。
    反対に、手入れが良くないと、インプラントの寿命が短くなることも考えられます。
    Q治療期間はどのぐらいかかりますか?
    A通常4~6ヶ月です。インプラントの本数や埋め込まれる箇所、採用される治療方法によって差があります。
    Q手術の際、入院が必要ですか?
    A一次手術でも、二次手術でも入院の必要はありません。
    また、充分な局部麻酔下で手術を行いますので、従来の歯科診療に比べても痛みを感じる度合いは強くないと言えるでしょう。
    ※手術の範囲により多少の違いは生じますが、手術中もその後も痛みを感じることは少なく、術後に鎮痛剤を全く服用しない方が約1/3で、それ以外の方も1回服用しただけの方が大部分です。
    手術の翌日から数日間は創部周囲に腫れが出ます。特に下顎の奥歯を手術した場合に強く現れますが、大多数の方が飴玉を一個頬張っている程度で済みます
    Q人工の歯が壊れることはありますか?
    A充分な診察を行って治療計画を立て、その部位に最も適した材料で歯を作製しますので、簡単に壊れるようなことはありません。
    万が一壊れたとしても、作り直しは可能です。
    また、骨の状態を確認した上で、インプラントを追加することも可能です。
    ※当院での新規施術はノーベルバイオケア社の製品のみ用いていますが、すでに他社製のインプラントが入っている方の再治療も行っています。(ストローマン社、京セラ社、ジンマーバイオメット社、カルシテック社など)
    Qまったく歯が残っていない場合でも治療できますか?
    A歯が1本も残っていない患者さんには、上あご、下あごに各5~6本のインプラントを埋め込んで義歯を支えます。
    ※4〜5本〜支えます。オールオン4術式で行う場合は、原則同日に仮歯の装着が可能となり、手術当日から固定性の入れ歯での咀嚼が可能になります。
    インプラントを2~3本しか入れられない場合には、取り外し式の入れ歯で対応します。
    この入れ歯は従来の総入れ歯と異なり、しっかりあごの骨に固定されますので、食事中でも会話中でも動くようなことはありません。
    Qインプラント治療は、どの歯科医院でも受けることができますか?
    Aすべての歯科医院でインプラント治療が受けられるわけではありません。インプラントを導入していない歯科医の場合は、研修を受けた専門医を紹介してもらうと良いでしょう。
    また、保険治療を行っていないインプラント専門医の場合、その後の主治医として信頼できる保険医を紹介してもらうのが一般的です。
    一度インプラント治療を受けても、以後の治療をすべてインプラントで行わなければならないということはありません。
    ※一口にインプラントといっても現在日本国内で販売されているものだけで30種類以上あります。
    近代インプラントの歴史は1965年のスウェーデン、イェーテボリ大学のブロ−ネマルクインプラントから始まりました。
    当院は、その世界で最も使用され、科学的データが蓄積されているブローネマルクシステム、及び同じメーカーのリプレイステーパードシステム及びCC、ノーベルアクティブ、ノーベルパラレルCCシステムを症例に合わせて選択使用しております。

    ノーベル・バイオケア・ジャパン株式会社 小冊子より引用
    (※)あとうデンタルクリニック付記

     

    インプラント症例写真

    1.抜歯即時埋入即時修復(40代女性)

    1)術前:歯根の垂直破折に伴い膿瘍形成が見られました。歯根破折に伴う膿瘍形成は急速に表側(唇側)の歯槽骨の吸収を生じさせ、抜歯後の治癒期間待ちの間に唇側骨が大きく吸収して、その後のインプラントやブリッジの審美障害を招くことが従来の問題でした。
    2)術直後:抜歯即時インプラント埋入後、即時に仮歯をねじ止め装着します。現在、当院ではこの症例のように全く歯肉切開をせず(フラップレスと呼びます)に行う術式が通例のため、術後の痛みや腫れが極めて少ないです。令和6年3月のX guide導入以降は3Dナビゲーション下の埋入になるため、更に正確性、安全性が向上しました。
    3)上部構造セット直前、仮歯を外した状態:本例は術後半年後のセットになりました。術前との歯肉形態の差が極めて少ないのが本術式の特徴です。(麻酔はしていません)
    4)上部構造(ジルコニアポーセレン冠)セット直後:術前に装着していた被せを参考にジルコニアのベース上に陶材を築盛焼成するため、自然な仕上がりとなっています。

    術前
    症例
    術直後
    症例
    上部構造(修復物)
    セット直前

    症例
    上部構造(ジルコニアポーセレン冠)
    セット直後

    症例

     

    2.大臼歯待時埋入例(50代女性)

    1)術前:上顎大臼歯部歯肉の腫れが続いていました。
    2)術前:詰め物が脱離していて、その中に深い亀裂がありました。生活歯の縦破折で複数の歯根にまたがっており、救えませんでした。
    3)術直後:抜歯後5ヶ月治癒を待って、インプラントを埋入し、即時治癒過程用アバットメントを装着しました。
    4)上部構造装着時:即時治癒過程用アバットメントを外した状態:インプラント周囲粘膜の治癒もよく出血なし。
    5)上部構造装着時:近年、臼歯部上部構造の主体であるジルコニア冠を直接インプラントにねじ留めしました。(アクセス穴はのちに閉鎖します)

    術前
    症例
    術前
    症例
    術直後
    症例
    上部構造装着時
    症例
    上部構造装着時
    症例

     

    3.オールオン4+1上顎例(70代女性)

    1)術前:義歯を外した時の口唇の落ち込みが許容できないのが悩みでした。
    2)術前準備:ノーベルクリニシアンでのCTデータの分析結果を元にインプラント埋入用のガイドを準備しました。
    3)術直後:1965年の近代インプラント開始以来タブーとされて来た即時荷重を無歯顎症例に適応するというポルトガルの歯科医Dr.Maloの革新的な考えに基づいた術式。手術直後から審美性と咀嚼能力の回復が得られます。
    4)最終補綴物装着時:約6ヶ月間の治癒期間後、その間の修正を加味した形態と、CAD/CAMにより製作された強固なチタンフレームで維持されます。
    5)最終補綴物装着時:機能と審美性が回復された。日々の清掃と継続的なメインテナンスが大切です。

    術前
    症例
    術前準備
    症例
    術直後
    症例
    最終補綴物装着時
    症例
    最終補綴物装着時
    症例

    4.サイナスリフトを併用した上顎無歯顎修復例

    約8年前にインプラント治療を受け、近年そこから膿が出るため担当医からそこへ塗る薬を渡されていた方です。
    重度のインプラント周囲炎になっており、撤去は必至な状態でした。
    修復が完成するまで義歯なしで噛める状態を維持しながら、サイナスリフトという特殊技術を併用して、前医では出来なかった奥歯の極度に萎縮した顎の部分にもインプラントを埋入して上顎の修復が完成しました。

    治療前:レントゲン写真
    症例
    治療前
    症例
    治療中
    症例
    治療後
    症例
    治療後
    症例
    治療後:レントゲン写真
    症例

     

    5.下顎の義歯を最小限のインプラントで維持安定させる

    下顎総義歯は一応安定して噛めるが、謡を趣味としているため長い時間口を開けておいても安心なようにしたい、と希望されていました。
    取り外し式の義歯自体に違和感は訴えていなかったため、最小限の2本のインプラントを利用して、それにパチリとクリップで止める形式の修復にしました。
    義歯の維持が確実になる以外に縦や横への安定も増すため、噛めないものはないほどになりました。

    治療後
    症例
    オーバーデンチャー
    症例
    治療後
    症例

    ※様々な解剖学的,生理学的、等の条件の異なる患者様に対する医療行為であるため、すべてが治療例のような結果となることを保証するものではありません。

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